| 石橋知永子：
ながさき味暦
私は熊本県球磨郡湯前町という田舎町の造り酒屋の大家族のなかで幼少の頃を過ごしました。四季折々豊かな自然に恵まれ、春には田圃でセリ、つくし、ノビル等を摘み、台所に持って行き、夕食の献立の一品として作ってもらったり、秋には柿の木に登ったり、栗を拾ったりして楽しんでいるうちに料理に興味を持つようになったような気がします。
娘の頃も田舎の料理教室に通い、結婚してからもつづけていましたが、主人が昭和50年3月、若くして亡くなり、すっかり生甲斐をなくしていた時に、友人の大黒様より佐田先生を紹介していただき、そこでこんなにおいしくて素晴らしい料理があったのかと夢中になり、元気を取りもどしました。
そんな時、友人達が自分達にも教えてほしいと突然10人程集まって我が家に見えたのが始まりで現在にいたっています。
私もこの出会いがあったからこそ苦しいときも悲しい時も乗り越えられ元気で過ごさせてもらったのです。
器は家にあるもの、作る人もいつもの皆さんで、写真は赤崎奈穂子さんにお願いしました。素人ばかりでどんな本ができるのかと案じていましたけれど、この本の制作に携わっていただいた方々により、立派な料理の本に変身しました。心より感謝申しあげます。それから教室の皆さん、有難うございました。
著者プロフィール
石橋知永子
昭和7年 熊本県生まれ
昭和32年 結婚後長崎県長崎市に在住
昭和28年 第一回調理士認定試験に合格
昭和52年 料理教室を主催
この本のご購入方法
THEN...
|
