■写真集/48頁
■220x200mm
■彼女の撮ったオブジェは、もちろん彼女の無意識裡の操作によって、そこに「対=象 ob-jet」として立てられることになるわけだが、しかし、よくよく見てみると、必ずしもそうではない。どうやら彼女のオブジェは、それ自体でおのずとまとまりを持ち、それ自体がみずからを主張していることが分かるだろう。彼女には、それが語ろうとすることを、そのまま、それに語らせようとする感がある。これを「感性の魔」と言わずして、何と呼ぶべきか。

  加賀野井良子は、鹿沼市の山奥に生まれ、山川草木と戯れ、自然の造化に目を見張ってきた。長じては、造形芸術に親しみ、今なお世界中で美術館・美術展行脚をくり返している。おそらくは、巧まずして、自然の機微を捉えるすべを身につけてきたのであり、一太刀で、オブジェを切り出す腕を磨いてきたのに違いない。(加賀野井秀一:本書より抜粋)

■定価 1,800円 消費税・送料別途

■Photographer:加賀野井良子
■Printed in Japan 2011

加賀野井良子:
光と影のはざまで
Entre lumiere et ombre

■写真を撮りはじめて17年。最初はミノルタα707siを使っていましたが、パリに住んでいる頃「ライカで撮った写真展」を見る機会があり、その色合いとディテールに魅せられ、ズミクロン35ミリレンズをつけたライカM6を手に入れました。このカメラの手頃なサイズ、露出計の正確さ、薄暗い室内での撮影に優れている点など、私好みの被写体を写すにはぴったりでした。
  それ以来、どこへ行くにもライカを持ち歩き、ヨーロッパではフジのプロビアを、日本ではコダックのフィルムを愛用していました。私は色彩と造形的な美しさ、光と影になぜか心惹かれるのです。窓から差し込む光、窓を通して見える外の景色、床に反射する光の変化とそこにできる影にえも言われぬ美しさを感じ、シャッターを押します。それもたった1枚か2枚です。
  こうして感性の趣くまま撮りためたのがこの写真集です。

加賀野井良子 

著者プロフィール

栃木県鹿沼市に生まれる
1979年 埼玉県狭山市立小学校教員として勤務
1981年 退職
1981年〜1983年 夫とパリ在住
1995年〜1997年 家族でパリ在住
1997年 日本リアリズム写真集団東村山支部入会

個 展
1997年 「見出された時」 リベストギャラリー創 (東京)
2010年 「めぐりあう時」 ギャラリー島田 (東京)
2011年 「光と影のはざまで」 シラヤアートスペース (東京)

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