■フランス額装の作品集/60頁
■220x200mm

▼著者からの言葉

フランス人の家に招かれると、私は最初に壁の絵に目がいきます。なんて素敵な飾り方だろう…と。アンティーク店で見かけるような古い絵もあり、現代的な絵もあり、それらをさり気なく自分流にセンスよく飾っています。
パリ生活に慣れてきたある日、私も自分で描いたデッサンを額に入れて飾ってみようと、額装店に入りました。そこでたくさんの紙や額を見て、自分の好きなように作れたら…と、早速、教室を探して通い始めました。
日本には「掛け軸」という伝統的な額装があるように、フランスには「Encadrement アンカドルモン」という、フランス額装の文化があります。絵、写真、オブジェなど額装したいものに合わせて、色使い、紙や布の材質、デザインを考えてマットを作り、額に入れてオーダーメイドの作品が出来上がります。
世界でひとつのオリジナル作品。
中学、高校時代、美術部で油絵を描いたり、デザインに興味があった私は、フランス額装という新しいアートの世界に次第に惹きつけられていきました。
フランス額装と出会って20年。額装は、主役であるドキュモン(額装するもの)の引き立て役として、常にドキュモンとのハーモニーが大切だと思っています。
でも、時にはドキュモンと額装がひとつの作品となる、そんな額装の世界も広がります。

■Photographer:青木明美
■定価 2,000円 消費税・送料別途
■Printed in Japan 2014

 

 

青木明美 :
L'harmonie D'encadrement
フランス額装の世界

フランスの色?
誰もが最初に思い浮かぶのは、青白赤 ―フランス国旗のトリコロール。
ルーブルで初めて見たドラクロワの「民衆を導く自由の女神」の女性が掲げるフランス国旗のブルーは、まさに自由の象徴で印象的でした。
私の中のパリの色は違います。
10月になるとパリの街角のあちこちで見られる栗売り―Marron色
1日の始まりにカフェで飲むエスプレッソ―Caf色
セーヌ河、そこに架けられた橋、石造の建物、それらを包み込むように重く広がる灰色の空、全てがグレイ一色になる冬のパリ―Gris 色
ダークな色が目に映ります。
そこに鮮やかな黄色のポスト。
黄色は、古くキリスト教の世界ではイエスを裏切ったユダの服の色ということで、忌まわしい色とされていたそうです。
古いものと新しいものが引き立てあって
コントラストが見事に調和。
街を歩きながら、色の組み合わせを見つけるのも、私の楽しみのひとつです。

青木明美 

著者プロフィール

静岡県生まれ
1979年〜1981年  家族でアルジェリア在住
1984年〜1986年  家族でアルジェリア在住
1989年〜2000年  家族でパリ在住
1989年〜 パリにてフランス額装を習得後、
1989年〜 現地で「アトリエ・クレール」主宰
1989年〜 フランス額装家として活動しながら、アトリエで教える
1998年 アトリエ・カ・ドラ展1位入賞
2000年 フラワーデザイン・フランス国家資格(DAFA)取得
2000年 パリにて生徒たちと作品展
2001年 銀座にて個展
2002年〜2004年 蒲田産経学園講師
2009年 日仏現代美術展 入選
2011年 銀座にて個展
2014年 自由が丘にて「アトリエ・クレール展」2000年〜 日本とパリを行き来しながら、制作活動と、日本のアトリエで教える

この本のご購入方法


THEN...